『箱庭の国』のつくりかた【駒編】

 

こんにちは。
空理計画、はくしです。

ゲームマーケットから一週間ほどたちました。

当方、会場で頒布したゲーム、『箱庭の国』を遊んで頂いている様子を見つけるにつけ、小躍りせんばかりに喜んでいます。

ところでこのゲームは、コンポーネント部材からパッケージングに至るまで全部、 完全手作業で作ったものでした。

そのあたりにつきまして、たとえば何で作っているかとか、どうやって作ったかといった点、会場では口頭でお伝えしたのですが、折角ですのでこちらでも解説してみようと思います。

この作品に関する、物質的な面での疑問が解決するとか、あるいはゲームを自作したいという方の一助になればいいなと思いつつ。

…というか、まあ、もちろん単にアピールしたいっていうのもありありなのですが!

とりあえず今後、部材ごとに何度かに分けて書いていく予定です。
今回は、一番質問の多かった「駒の作り方」についてまとめてみます。

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まず、駒の素材について。
今回は、ヤコ社のオーブン陶土というものを使いました。

もちろん厚紙チップでもゲーム性は全く変わらないのですが、実は厚紙チップって、自作が少し難しいのです。

結果的に、テーマとの相性も良かったようですし、レリーフがつけられたのも、粘土ならではの利点として、雰囲気づくりによく働いたと思います。

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駒は一個ずつ型抜きで作りました。
粘土の塊から、2グラムくらいちょいちょい削り取って、丸めて平らにして型にはめこみ、ぎゅっとプレスして取り出します。
この過程でどうしても少し歪みますので、できるだけ手早く整えます。

型に使ったものは、駅前のバザールで手に入れたインドみやげ。
本来はスタンプなんだと思うのですが、彫りが深いのでレリーフにもバッチリ使えました。

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粘土1袋から、だいたい200個の駒ができます。

型抜きができたら1日くらい放置し、乾燥させときます。
これやらないと焼くとき爆発するそうです。

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1日から2日乾燥させると、だいぶ色が白っぽくなります。
こうして水分がよく抜けたことを確認してから、焼きます。

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焼成は自宅オーブンです。
オーブン陶土というだけあって、とくべつ窯などは必要なく、温度調整さえできれば普通のオーブンで焼けちゃいます。
180度で1時間か、1時間半くらいが目安です。

上の写真ではクッキングペーパーを敷いていますが、アルミフォイルが正しいです。

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粘土の説明書には、オーブンはガス式、電熱式どちらでも可とありますが、ガスオーブンのが良好な結果を得られました。
熱風で包みこむぶん、焼き具合のムラが生じにくいようです。
ちなみに、我が家では深夜帯電気料金が安くなる契約になていますので、この工程は深夜作業でした。

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焼いて冷ますと見事なこんがり色に。
質感も、石っぽい感じに変わります。

陶土と謂いながら、実際はポリマークレイと同じ素材だそうですので、ちょっとやそっとでは割れ欠けしません。

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お次は着色の工程。
写真は試作品です。
はじめは筆で塗ってみましたが、面倒なうえに、どうも綺麗に仕上がりませんでした。

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いろいろ考えた末、今回はスタンプ台を使うことに。
表面のレリーフ部にだけ色を付けるという目的には、ベストな技法チョイスだったと思います。

スタンプは、百均や手芸品店で手に入る、捺す素材を選ばないという万能スタンプ。
焼いた粘土にも捺せたので、確かに万能です。

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ポンポンポン…と、インクを染み込ませたスタンプ台で叩いてやりますと、模様が浮き出てきます。
おかげで視認性がだいぶ良くなりました。
インクはすぐ乾くので、これにて完成です!

 

…と、ここまでが一連の工程です。
他の作業を挟んだり、焼成の間に型抜したりと、途中から進め方がこみいった感じになりましたが、とにかくこの部材が一番時間がかかる部分だったこと、なんとなくお分かりいただけたら幸いです。

さて。この駒、最終的にどのくらい作ったかというと…

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このくらい。
箱にぎっちり、合計1600個程度作りました。
作ってる方は、やればできるもんだ…という程度に思ってただけだったのですが、これ見た知人に人生で初めてドン引きされたとき、なにか取り返しの付かないことをしたと実感しました。

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1600個を広げてみると、机をほぼうめつくしました。
こうして整列させたのは、個数確認と袋詰め用の部数分けのためです。
いちいち数えながら袋詰していくと、まず間違いなく数をミスるはずです。

作っている間も、数はざっくりとしか把握していませんでした。
つまり、このとき初めて実際の生産数が分かり、頒布できる部数が決まったわけです。

あの時の知人の顔を心に抱きつつ、覚悟を新たに袋詰めする夜を経て…これらは売られていきました。

 

余談ばっかりでしたが、駒の作り方に関しては以上です!
長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。

次回は、「ボードの作り方」の予定です。

それでは!

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