『箱庭の国』第二版ルールについて

空理計画です。

この記事では、ボードゲーム『箱庭の国』のルールについて、初版と第二版との違いを書き出してみます。

また後半では、ルール全体の注意点、そして第二版で追加された「玉座」ルールの注意点について、それぞれまとめていきます。

初版をお持ちの方、また、第二版ルールに不明な点がある方など、この記事を参考にしてみてください。


 

◆初版と第二版の差異

第二版ルールでは、初版のルールに加えてもう一つのゲームモードを追加する、という点が最も大きな変更点でした。
しかし実際には、それに伴いルールが全体的に整理され、初版のルール部分にも若干の変更がなされています。

以下、その変更点についてまとめてみました。

(なお、ここでの初版ルールとは、第二版では「庭園」ルールとして収録されているルールに対応しています。)

1)置石ルールの省略

初版では、ハンデとして後手のプレイヤーが置石をできることになっていましたが、第二版ではこれをオミットしました。

2)手番での行動の固定化

初版では、手番には「移動」「開拓」の各行動を、任意の順番で行うことができるとしていました。
また、各行動の実行も任意とし、事実上のパスも可能としていました。

第二版のルールでは、手番には「移動」→「開拓」の順に行動を行うものとし、各行動についても、必ず実行しなければいけないというかたちに変更されています。

3)敗北条件の追加

第二版では、上の規定のため、手番をパスすることが出来ません。
「庭師」を動かすことができない状況に陥った場合、合法手が無いとみなされ、その場で敗北となります。

また後述の、「「開拓」が行えない場合」に関しても、やはり合法手が無いとみなされ、その場で敗北となります。

ゲームを進める上では、「庭師」の動ける場所を確保すると同時に、手持ちの石を極力切らさないように気をつけましょう!


◆ルール上の注意点

上では初版と第二版との違いについて述べましたが、ここからはルール全体に関する注意点をまとめてみます。

◯「開拓」を実行できない場合

ルール上では、盤面上に一切変化を与えられない場合には、「開拓」は実行できないとされています。

「盤面上に一切変化を与えられない場合」というのは、以下のようなケースのことです。

  • 「開拓」の範囲がすべてボードの外にある場合
  • 「開拓」の範囲に相手の陣地がなく、自分の持ち石がない場合

前者については、「開拓」の範囲がひとマス分でもボード内に収まっていれば、この限りではありません。

ただしその場合でも、後者の条件を満たしていれば、「開拓」を実行することはできません。
「開拓」の範囲に相手の石がなければ、「相手の石を取る」と言うかたちで盤面を変化させることができません
さらに自分の手元に一切持ち石がない以上、「自分の石を置く」ことで盤面を変化させることもできません

もちろんこれに関しては、「自分の石は置けないが相手の石は取れる」「相手の石は取れないが自分の石は置ける」といった場合には、「開拓」を実行する事ができます。

◯行動できる「庭師」の数

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ルール上見落としやすいポイントが、手番で行動できる「庭師」の数です。

「玉座」ルールでは、「庭師」を増やすことができ、プレイヤーが複数の「庭師」を所有する局面が発生します。

そのような場合でも、手番で操作できる「庭師」は1つだけです。

複数の「庭師」を所有している場合、そのうちの1つを選んで移動させ、その「庭師」に「開拓」させてください

「庭園」ルールでは、「庭師」は1つしか持つことができないので、この点について注意する必要はありません。

◯「玉座」ルールにおける「庭師」の増減

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「玉座」ルールの最大のポイントが、自分の「庭師」を増やし、相手の「庭師」を減らすという部分です。

ルール上、「庭師」とは「3つ重ねられた石」と定義されています。
そして「玉座」ルールでは、「開拓」によって自分の石を3つまで積むことができ、また相手の石が3つ積まれたマスから、石を1つ取ることができます。

これはそのまま、「開拓」によって自分の「庭師」を新しく作るということ、そして、「開拓」によって相手の「庭師」を2つ積まれた石に変えるということにほかなりません。

特に後者については、1つか2つ積まれた石は、もともと「庭師」であったとしても、もはや「庭師」としての機能は持たないという点に注意してください。


長々と書いてしまいましたが、現状当方で把握しているところでは、以上の点がルール上わかりづらい部分となっているようです。

ブログでの補足となってしまいましたが、いまいちどルールと合わせて確認していただければと思います。

それでは!

ゲームマーケット2016秋に出展しました

空理計画です。

12月11日開催の、ゲームマーケット2016秋に参加してまいりました。

今回は前回(ゲームマーケット2016春)に引き続き、二人用ボードゲーム『箱庭の国』をもっての参加です。

当日は30部弱を持ち込みましたが、多くの方にお越しいただけたため、開場から間もなく売り切れとなりました。
また試遊して下さった方々からも色々なフィードバックが得ることができ、大変充実した一日となりました。
当日ブースに足を運んでくださった方、ありがとうございました!

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今回は前回と比べ無理のある頒布部数を設定しなかったため、時間的にも体力的にも余裕を持って参加することができました。
(前回はあろうことか睡眠不足の状態でブースに立っていたため、最後の方はうつらうつらしていた記憶があります…)

それでも、フライヤーの準備が間に合わず、自宅プリントしたものを持ち込む羽目になったり、連絡のチェック不足で予約対応に行き違いが生じたりなど、反省すべき点も多々ありました。
そのためにご迷惑をおかけした方もいらっしゃったかと思います。今後の改善を心がけてまいります。

今後の予定

空理計画としての活動は、今年はひとまずこれにて一段落。

…のつもりでしたが、まだあります!

このたび、札幌のゲームスペースFriendsさんからお声掛けいただき、『箱庭の国』の委託販売を行うこととなりました。
現在は目下コンポーネントの増産中ですので、年内に納品できれば…というくらいのスケジュール感で進行しています。
店頭での販売価格はイベントでの頒布価格より少し割増となってしまいますが、お見かけの際はぜひお手にとっていただければと思います。

それでは!

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『箱庭の国』初版ご購入の方へのおしらせ

空理計画です。

前回のゲームマーケット(2016春)にて、ボードゲーム『箱庭の国』初版を購入された方にお知らせします。

『箱庭の国』は、新ルールを追加した第二版として、次回ゲームマーケット(2016秋)にて再販を行う予定です。
この第二版では、初版よりルールブックとカードに内容の追加が行われています。

 

そこで前回頒布の版を購入された方には、会場にて最新版のルールブックとカードを配付いたします
これについては、無償での配付となります。
受取りを希望の方は、空理計画のブース(I31)にて、初版のコンポーネントの一部(カードなど)、あるいはその写真をお見せください。
ブースにいるものが引き渡しいたします。

もし当日会場に来られない方は、TwitterのDM、あるいはメールにて住所等ご連絡いただければ、こちらから郵便にて発送します。
(メールアドレスは、HPにてご確認ください。)

 

前回は、『箱庭の国』に興味を持っていただきありがとうございました。
また引き続き、このゲームの情報をチェックしていただけたこと、たいへん嬉しく思います。
当日、会場でお会いできるのをお待ちしています!


なお、最新版のルールはHP(http://kuuri.net/game/reclamation/rule/)にて公開しています。
また、カードについても同ページにて画像を掲載しています。
ルールをチェックの上、厚紙にカードを印刷すれば、お手元のコンポーネントにて追加ルールをプレイすることが可能です!
ぜひお試しください。

<第二版にて追加の開拓カード>

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<初版に付属の開拓カード>

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ゲームマーケット2016秋に出ます

空理計画よりお知らせです。

Twitterではもう一ヶ月も前に告知したことですが、空理計画は12月11日に開催されるゲームマーケット秋に出展します。
今回で二度目のゲムマ出展ということになります。

当日は前回のゲムマで頒布したゲーム、『箱庭の国』を再販する予定です。

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『箱庭の国』は、完全ハンドメイドの二人用ボードゲームです。
この作品については、前回投稿した記事がいくつかあります。
割りと気合い入れて書いた記事なので、ぜひ読んでやってください。

『箱庭の国』ルールとコンポーネント公開

『箱庭の国』プレイ動画公開

『箱庭の国』のつくりかた【駒編】

また、WEBページにも詳細な情報を掲載しています。
前回頒布時より内容の拡充が行われていますので、すでに存知の向きも足を運んでみてください!


さて、再販とは言いましたが、しかし単に同じものを売る訳ではありません。
一度目の頒布のあと、各所より得たフィードバックをもとに、今回新規のルールの追加を行います!

もう少し正しく言えば、一つの基本システムに二つの選択ルールを設け、そのいずれかを選んで遊ぶ形にしようと思っています。
すでに公開済みのルールは、その選択ルールの一つに組み込まれることになるわけです。

ざっくり言ってしまえば、こちらは囲碁やオセロの系統に属する、陣取りのゲームです。
対する新規のルールは、チェスや将棋の系統に属する、駒取りのゲームとなります。

共通のベースシステムから、これらの全く異なる種類のゲームが遊べるのです。
価格的にも、学習量の面でもお得な一品となりました!

これらについては、暫定版のルールをHPにて公開しています
頒布までの間に調整を加えていく予定なので、あくまで参考程度ですが…

なお!前回のゲームマーケットで今作をお買い上げいただいた方には、会場で声をかけてもらえれば、最新版のルールブックをお渡しするつもりです。
コンポーネントはほとんど変わらないのですが、ゲームに使うカードだけは内容が追加になるため、これも一緒にお渡しできればと思っています。
(もしかしたら、これは先着順になってしまうかもしれないですが…)

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もちろん画像は開発中のものです

今回の告知は、ひとまず以上です!

細かいアップデートはTwitterで発信していきますので、どうぞよしなに。

 


 

イベント詳細:

ゲームマーケット2016秋 開催日 2016年12月11日(日) 10時から17時
会場 東京ビッグサイト(東京国際展示場) 東7,8ホール

空理計画のブースはI(アイ)31です。
試遊卓一体型のブースとなっているので、その場で遊んで購入を検討してもOKです。
もちろん遊ぶだけでも大歓迎です。是非足を運んでみてください!

『箱庭の国』のつくりかた【ボード編】

 

こんにちは。
今週の空理通信です。

今回は、ボードゲーム『箱庭の国』の作り方、第一弾「駒の作り方」に続きまして、第二弾。
「ボードの作り方」をお送りします。

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ボードゲームであるからには必要になる、ボード。
これはゲームの中で最も大きなコンポーネントなだけに、プレイ体験を支える大切な部材といえます。

ボードの自作には、色々なアプローチがあるかと思います。
素材チョイスひとつをとっても、ゲーム全体の雰囲気作り、プレイアビリティ、加工難度等々、考えるべきことは色々あります。

それでは、今作のボードづくりの背景には、一体どんな過程があったのでしょうか?
しばしお付き合いください。

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『箱庭の国』のつくりかた【駒編】

 

こんにちは。
空理計画、はくしです。

ゲームマーケットから一週間ほどたちました。

当方、会場で頒布したゲーム、『箱庭の国』を遊んで頂いている様子を見つけるにつけ、小躍りせんばかりに喜んでいます。

ところでこのゲームは、コンポーネント部材からパッケージングに至るまで全部、 完全手作業で作ったものでした。

そのあたりにつきまして、たとえば何で作っているかとか、どうやって作ったかといった点、会場では口頭でお伝えしたのですが、折角ですのでこちらでも解説してみようと思います。

この作品に関する、物質的な面での疑問が解決するとか、あるいはゲームを自作したいという方の一助になればいいなと思いつつ。

…というか、まあ、もちろん単にアピールしたいっていうのもありありなのですが!

とりあえず今後、部材ごとに何度かに分けて書いていく予定です。
今回は、一番質問の多かった「駒の作り方」についてまとめてみます。

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ゲームマーケット2016春

 

5月5日、東京ビッグサイトにて開催の、ゲームマーケット2016春に参戦してまいりました。

ブース名「空理計画」、無謀にも試遊卓付きでの参加です。
持ち込んだ作品は、『箱庭の国』、『セリーの町』の二点。

 

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『箱庭の国』は、ブログでもちょいちょい告知してきました、手作りの二人用ボードゲーム。

『セリーの町』は、いわゆるゲームブック(すこしちがうのかも)の体裁をとった紙ペンゲームです。
このブログではお初になりましょうか。

 

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会場には、『箱庭の国』40部弱、『セリーの町』30部を持ち込みまして、いずれも無事完売となりました。
お買い上げの方、誠にありがとうございました!

また、こんなどこの馬の骨ともわからぬサークルに、足を止めていただいたばかりか、試遊していってくださった皆様にも、感謝です!

会場で頂いた、温かい、時に厳しい言葉の数々が、忘れがたく心に焼き付いております。
こちらは、もれなく今後の制作の参考にさせていただきます。

以上、取り急ぎご報告までに。

今後とも、空理計画をよろしくお願い致します!